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夢の島の頭上の 京葉線 ものがたり。 [JITOZU_施設]

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写真は、あけぼの運河を渡る京葉線の高架線である。高規格路線に相応しい写真だ。

京葉線は、新木場からこの辺りで90°転回し潮見に向かう。
なぜ、こういった線形なのか不思議であるが、それは、東京外環状線計画と関係しているのかもしれない。同計画は、中央、山手貨物、東北、常磐などを結ぶ環状貨物計画だった。


論文、"東京臨海部における鉄道整備の発展過程に関する研究"によれば、"品川ふ頭・西船橋間は昭和49年から工事に着工し、東京湾を横断する台場トンネルや埋立地の構造物などの建設が進められた。
しかし、(中略)沿線の鉄道貨物輸送需要が見込めないこと"から、旅客利用に計画を変更、ついで"(中略)新木場以西については、
越中島、八丁堀を経由し東京駅に至る都心線が昭和58年7月に同時認可となり"、京葉線として平成2年に全線開通している。


つまり、現在の、りんかい線方向に建設を進めながらも計画変更により、急遽、潮見、越中島方面へ方向転換した様だ。その過程を経て誕生したのが、この高架だろう。
そして新木場駅のホームより潮見方を眺めると、ゴゥーという独特の音を立てながら高架とトラス橋を渡り、近づいてくる、電車の様子を見ることができる。


ちょうど、この写真の様だ。
高架は、夢の島公園の木々の上を走り抜けるため、かなり遠方の車両を見ることができる。個人的には、その風景が堪らない。まるで、模型が近づいてきて本物になるという感覚だ。

そして、この写真を見て、今度は、写真の様に下から見上げて見たいと思った。





時刻表昭和史 昭和62年 角川文庫刊 [鉄道本]

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この本は、古本屋で何気なく手にした本であるが、かなり思い入れのある一冊になった。


まず内容だが、時刻表の歴史本ではない。
氏の記憶を当時の時刻表で照合しながら描く、戦前、戦中の宮脇家を中心としたドキュメンタリーである。


特に印象深い言葉は、父の仕事に同行した出先で玉音放送を聴いた際の、"こんなときでも汽車が走るのか"である。戦中の裏寂れた心中の中の微かな希望を感じる。ともかく、現代人では、描けぬ鉄道紀行文であり、真のリアリティを感じる。


そして、驚いたことに解説を奥野健男先生が書いていており、しかも宮脇氏とは、小学校の同級生だったとのことだ。私は、大学で先生の授業を取っていたが、文学界の事象を同時並行的に語る授業スタイルに、毎回、魅了されていた。宮脇氏との関係を当時は知る由もなかったが、出来ることならば一度、伺いたかった。


また、文庫本の表紙のデザインは、私が敬愛するグラフィックデザイナーの杉浦康平氏のデザインだ。大胆な構図と、ポップな色使いでで印象的なデザインを実現している。


こんな具合に、かなり私的だが、様々事が重なり、個人的に印象深い一冊となった。
また、内容的にも当時の情景と宮脇少年の成長過程を、ありありと感じられる貴重なものなので、一読をお勧めします。



増補版 時刻表昭和史 (角川ソフィア文庫)

増補版 時刻表昭和史 (角川ソフィア文庫)

  • 作者: 宮脇 俊三
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川学芸出版
  • 発売日: 2015/04/25
  • メディア: 文庫


静岡の中の関西 21000系 [JITOZU_車両]

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参考map
写真は、大井川鐵道、福用駅近くの桜と21000系の様子だ。
この福用駅から大和田駅に続く区間は、桜の見応えのある区間らしく、シーズン中は多くの鉄道写真ファンが駆けつけるそうだ。


そして、この21000系も味がある車体だ。
昭和33年製造の同車。よくぞ今でも稼働するものだと感心してしまう。言うまでもなく、関係者の努力の賜物ではあるが、この年代の車両作りの丁寧さもあるのではないか。


それは、川島令三氏が著作「私の電車史」の中で述べている言葉が体現している。
"元私鉄のしっかりとしたつくりの車両をみたりすると、関西の鉄道マニアは、(中略)私鉄の豪快さが印象に残り、私鉄一辺倒に、なってしまうのである。"
わたしも同感で、関西の私鉄は国鉄との競争に熱かった影響なのか各社の車両は、独特の発展していった様に思える。


この21000系も、面作りこそ当時の流行りだった二枚窓湘南スタイルだが、南海独特の車内読書灯の上手さにアイデンティティを感じる。

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写真は、私が撮影した一畑電鉄の21000系の車内だ。
その取り付け位置、明るさ具合が絶妙で、ロングシートでの新聞読書に最適だ。
かつて、フランスのTGVに乗車した際も、同様の照明が付いていたが、南海の方が圧倒的に早く取り入れていた。先見の明があるという事だろう。
あくまでTGVの話で、そのほか車両にも付いていたかも知れませんが。。


さすがにシートのよれなどは、否めませんが、今こそ大井川鐵道で、作りの良さを体感することをお薦めします。


時刻表百年史 [鉄道本]

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時刻表百年史 新潮文庫 1986年

この本は、三宅氏のコレクションを中心にして綴る、時刻表史である。
そもそも、時刻表を愛好するとは、どういう事なのか?この本を読んで、思った愛好ポイントは、時刻表そのもの体裁の変化と、ダイヤというシステムへの探究心である。

体裁については、列車時刻を伝えるという新しい機能に対して、時代とともに工夫を加えていった様子をうかがい知ることができ、とても面白い。

例えば、最初の月間時刻表(明治27)は、右から左の漢字縦書きだった。
そして、数字縦表記を経て昭和17年の24時間制導入至るまでの表記変遷が興味深い。また、時代ごとにサービスを示すマークの移り変わりも面白い。赤帽マークや、ホーム上の洗面台(煤煙の汚れを落とすためのもの。)あり表記など、サービスは時代の鏡だと実感できる。表紙のデザインも広告が入ったり、ユニークなイラストだったりと見逃せない。

そして、探究心については、鉄道というシステムを、時間を置いて俯瞰して見ることで、新たな発見に繋がるのだと思う。これは愛好する側に、知識と思い入れが必要な作業だ。
本書の解説で、宮脇氏は"複雑きわまるダイヤと運転時刻の正確さ、それゆえにこそ日本の時刻表は、「読物」として面白い"と述べている。
まるでそれは、新たな数式を発見する様な行為であり、そこに浪漫があるのでは、なかろうか。

かく言う私も、本書に影響され、時刻表が刻んだあの瞬間-JR30年の奇跡なる本を購入してしまった。時刻表が愛読初心者には、優しい読物だ。

時刻表愛好家を"読み鉄"と呼ぶらしいが、これから、しばらく読み鉄にハマりそうである。


時刻表百年史 (新潮文庫)

時刻表百年史 (新潮文庫)

  • 作者: 松尾 定行
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1986/07
  • メディア: 文庫





時刻表が刻んだあの瞬間― JR30年の軌跡 (JTBのムック)

時刻表が刻んだあの瞬間― JR30年の軌跡 (JTBのムック)

  • 作者: 松本 典久
  • 出版社/メーカー: ジェイティビィパブリッシング
  • 発売日: 2017/02/20
  • メディア: ムック



400系 が残したもの [JITOZU_車両]

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参照Map

写真は、そのタイトル通り、山形新幹線の甲種輸送の風景だ。
1990年代始めは、1992年の山形新幹線開業に合わせ400系の製造が盛んに行われた時期。しかも、EF66+シム1000+400系の豪華編成だ。

400系が登場した時は、新しい時代が来た!と思った。在来利用の運行、200系との併結など、カラーリングと共にシステムそのものがこれまでにないものだった。

勝手に、ローレル賞が取れるのでは?と応援していたが、400系の運行開始の92年は253系とキハ200形。やはりローレル賞は、車両を対象とした賞だったと納得した。


その当時、しくみを讃える鉄道賞があっても良いのにと思った。今で言う日本鉄道賞といったところだろうか。


400系についての私の思い出は、座席の構成と、峠駅で見た姿である。
座席の構成は、新幹線初の普通車で2x2であった。これほ、宇都宮や那須塩原など特に短距離利用の場合に重宝した。窓側に座っても出やすいし、併結している場合、400系側の方が空いていた。これは、なんとなく気楽である。ちょっとそこまでには、もってこいの車内空間だった。
現在も、同様の座席構成だが、私の、この感覚は400系で生まれたのである。


もう一つは、峠駅である。
2009年ごろだと思うが、先輩らと当駅を訪れた。そこで、目にした新幹線こそが400系であった。この時は、駅近くの喫茶店で、峠を越えるEF71の写真を拝見した直後で、今も昔も峠越えの雄壮は、変わらぬと感じ入った記憶がある。


その時撮ったブレブレ写真を掲載します。
長くなりましたが。やはり400系は、カッコ良かったと思います。
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