SSブログ

父・宮脇俊三への旅 宮脇灯子著 角川文庫 [鉄道本]

C7D622DF-40A0-4EF6-A444-3F6DD7A7ED5F.jpeg

この本は、鉄道の旅を中心にした紀行作家、宮脇俊三氏のご令嬢、灯子氏が、宮脇氏の逝去の三年後に書かれたものだ。内容は、氏にまつわる話を集めたエッセイ集である。


本書の中で、私が一番興味があったことは、
鉄道紀行文を文学にまで高めたその流麗なる文章は、どのように生まれてきたのかという点だ。


当本によれば、それは、深夜酒とともに生み出された様である。全ての作品がそうなのかは分からないが、”書斎でちびちびやりなが書いていた”とのこと。
しかし、六十を超えたあたりから、”筆力がおち、酒の力を借りて書くようになった”そして、齢とともにアルコールへの依存が進み、1999年、72歳ごろに 休筆宣言をしている。
例え、才能があろうとも文章を書くということの大変さが分かるエピソードだ。


その他に本書では人間味のある、ちょっと拘り屋のお父さんとしての氏の姿が描かれている。
例えば、子供達から贈られた人形を鞄に入れて旅していたことや、野球好きが奏して、強かった池田高校の校歌を、録音し父娘で暗記したことなど、作品からは窺い知れない、ユーモラスな一面も多く取り上げられている。
何かそこに、氏の文章に時々顔を出す、とぼけた人間味や、几帳面さを感じてしまうのだ。


この様な種類の本は、好き嫌いあるとは思うが、氏の作品の新たな味わい方の添えにいかがだろう。





父・宮脇俊三への旅 (角川文庫)

父・宮脇俊三への旅 (角川文庫)

  • 作者: 宮脇 灯子
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2010/02/25
  • メディア: 文庫


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

/* */