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C56 ポニーが醸し出すもの [JITOZU_車両]

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参照MAP

写真は、SL北びわこ、現役時代のC56だろうか。湖北地方の観光振興を目的に、1995年より運行を始めたのだそう。この小さき機関車で5両の客車を牽引しながら、20kmほど走る。しかも本線走行だ。C56ことポニーとしては、大舞台であったことは間違えない。


さて、このC56だが、北びわこ号の160号がラストナンバーと言われるが。日本の蒸気機関車(ネコパブリッシンング刊)によると、編入機4両を含め164両製造されている。この編入というのが、樺太でC52形を名乗のりその後、C56 161-164に戻された車両だ。この他、雄別鉄道の1001号がある。
160号機をラストナンバーと呼びつつも、歴史に翻弄された4機のことも忘れてはならない。


特に、蒸気機関車(小学館刊)には、”簡易線区用としての優秀機は、軍の眼鏡にかなわぬはずはない。”と書かれている様に、90両もの仲間が、戦地となった、当時の統治地域に転出して行った。


C12同様に万能機を目指した同機は、全溶接ボイラーや後方の見通しを考慮した、スローピングテンダーの採用など画期的な、車両として登場した。
特に、少し角度のついたキャブ前面は、この可愛らしい機関車に少しの力強さを加える程よいアクセントになっている。


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著書撮影


均整のとれたボディは、高原のポニーとして人気を博したが、その裏では地味な活躍で日本の簡易路線を支え、海外でも日本のために活躍した当機。この釜の魅力は、そんな両面にあるのかも知れない。




日本の蒸気機関車

日本の蒸気機関車

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ネコパブリッシング
  • 発売日: 1994/10
  • メディア: 単行本
蒸気機関車―日本編 (1981年) (万有ガイド・シリーズ〈12〉)

蒸気機関車―日本編 (1981年) (万有ガイド・シリーズ〈12〉)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1981/08
  • メディア: -


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私鉄のターミナル物語 藤本均著 たちばな出版 [鉄道本]

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本書は、私鉄のターミナルの変遷を史実に基づいて紹介したものだ。それは、例えば、”国鉄など先行鉄道との関係”のように、事実情報がテーマごとに書かれているものであって、何故そうなったかといあ点には触れていない。それが、物足りなさを感じさせる。


しかし、最終章の”私鉄ターミナルのゆくえ”では、著者は、洞察のある指摘をしている。”ハード的にはスルー化、ソフト的には多様化が進む”というものだ。


ハード的なスルー化とは、鉄道輸送の量から質への変化、すなわち、直通乗り入れの増加のことであり、ターミナルは、本来の性格を失い、スルーされる存在になるということ。そして、それは、かつての郊外電車と市内電車の直結した形であること。


ソフト的な多様化とは、本書の出版された20005年当時は、隆盛を極めたパスネットを取り上げ、このまま進むと、通勤の行きと帰りで異なる路線を選択できるという多様性に対するニーズが生まれるのではという論である。


ハード的なスルー化は、現在着々と進んでおり、東京近郊のその代表格は、東急であろう。本書でも、著者の弁を代表する形で取り上げられている。すなわち、市内電車の玉川線から地下化工事を経て郊外線になり、その後、半蔵門線に次いで東武に乗り入れスルー化を達成した。
ソフト的な多様化の面では、パスネットに次いでSuica、PASMOの共通利用サービス、そして全国レベルで交通系ICカードの共通利用に発展した。


今では、いずれも著者の論の通りとなった。
さて今後はどうか。
より正確に安全に快適にをモットーに高架化、自動化が進みつつ、
通勤人口の減少による減益、その先に経営統合、合併劇...だろうか?


私鉄ターミナルの物語

私鉄ターミナルの物語

  • 作者: 藤本 均
  • 出版社/メーカー: たちばな出版
  • 発売日: 2005/06
  • メディア: 単行本


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